Retail Biz 編集部

「食肉部門の表示」・「食」の基礎知識(道理)シリーズ 第4回

「食肉部門の表示」  ・ 「食」の基礎知識(道理)シリーズ  第4回

食肉の表示は他の生鮮食品に比べると、「食肉の公正競争規約」があるため、表示しなければならない項目が多いのが特徴である。

公正競争規約では、広告やカタログに必ず表示すべきことや、特定の表現を表示する場合の基準、景品類の提供制限などを定めていて、お客様がより良い商品・サービスを安心して選ぶことができる環境作りのための大切な役割を担っている。

1.必要な表示事項

食肉部門の商品の食品表示は、生鮮食品と加工食品で異なり、さらに事前にパックした商品(通常の陳列)とパックせずに量り売りする商品(対面販売)でも内容が異なる。

生鮮食品

単に切断、薄切り、冷凍したものなど特別な加工が施されていないものは生鮮食品にとなる。例えば、牛ロースと牛バラのセットなども生鮮食品だ。

加工食品

ハム等の加工肉の他に、複数種類の肉を混ぜたもの(挽肉の中で合挽肉のみ加工食品)、又は調味した肉(焼肉のタレに漬けたカルビ等)は加工食品に分類される。JAS法では、「製造」又は「加工」されたものが加工食品、単に「調整」又は「選別」にあたるものが生鮮食品と定義されてい

2.必要な表示内容

  • パックした商品の表示

● 定量(定貫)パック、定額販売の表示

  • パックしていない(対面販売)商品の表示
  • 一枚、一羽などの販売の表示
  • 種類・部位・用途の表示

食肉は、「牛」等などの一般的な名称で表示します。「牛肉」等の表記もできる。

(「ポーク」、「チキン」、「ラム」等の表記も可能)また、「牛かたロース」等と食肉の種類に加えて部位名を表示する。 

2種類以上の部位を混合した場合は、混合割合の高い順に部位を表示する。

ひき肉等、肉の形態の性質上、部位の表示が困難な場合は「牛挽肉」等と食肉の種類と形態を組み合わせて名称とする。また種類と部位に用途を加えて品名としてもかまわない。

(牛ステーキ用、牛カレー用等)

  • 複数部位の混合表示
  • 鶏肉の部位表示

商品名称など表示例

● 輸入牛・豚肉の部位表示

原産地表示の考え方

食肉の原産地は、国産ならば国産、輸入品ならば原産国を表示する。

ただし、海外から生きたまま家畜などを輸入した場合は、条件により国産もしくは外国産になる。 

国産食肉の場合 ➠「国産」(国内産)

● 輸入食肉の場合 ➠ その原産地国名を表示します。

■ 個体識別番号の表示

牛トレーサビリティ法により輸入牛を含み、国内で飼養されるすべての牛には、耳標が装着され、耳標につけられた10桁の個体識別番号によって、生産から流通・小売に至るまでの牛の履歴が管理されている。

問題が起こったときに、この番号をたどって追跡し原因を究明し、また商品の回収を最小の範囲で迅速に行える仕組みになっている。

お客様は、各段階にて得た固体識別番号について、独立行政法人家畜改良センターのデータベースを確認して必要な情報を得ることができる。

● 個体識別番号の表示対象とならないもの

➊ 国内で飼養していない輸入牛

➋ 牛肉を原材料として製造・加工・調理した加工品や調理品:もの

   ※ コンビーフ、ハンバーグ、肉まんなど

➌ ひき肉

➍ 牛の種々の個体、種々な部分肉の端材を使って商品にした こま切れ・切り落とし

   ※ 個体の特定できるものは、表示が必要

➎ 内臓肉

  ※ ハラミ、タン、スジなど

■ 和牛の表示

「和牛」と表示できる牛は、「和牛等特色ある食肉の表示に関するガイドライン」および「食肉の表示に関する公正競争規約」に、牛の品種が定められている。(以下)

中でも黒毛和種が全国の和牛の約98%を占めている。

又、「和牛」と表示できるのは、国内で生まれ、国内で飼養された牛であることが牛トレーサビリティ制度によって確認できる牛の肉に限られているので、対象の品種であっても輸入牛に表示することはできない。

【和牛と表示できる牛の品種】:

 ① 黒毛和種

 ② 褐毛和種

 ③ 日本短角種

 ④ 無角和種

 ⑤ ①~④の品種間の交配による交雑種

 ⑥ ⑤と①~⑤の交配による交雑種

※⑤、⑥の交雑種を「和牛」と表示して販売する場合は、「和牛間交雑種」と表示すると共に、「品種の組み合わせ」を表示しなければならない。

■ 黒豚の表示

「黒豚」と表示できるのは、「食肉小売品質基準」「和牛等特色ある食材の表示に関するガイドライン」「食肉の表示に関する公正競争規約」によって、「純粋バークシャー種の豚の肉に限る」と定められている。

「黒豚」の表示では、品種を規定しているので、外国産の豚であっても「純粋バークシャー種の豚」であれば「黒豚」と表示することができる。

(国産黒豚と誤認されないように「原産地」の併記は必須だ)

■ 地鶏の表示

地鶏は、JAS法の「地鶏肉の日本農林規格」により、生産方法と表示方法が定められている。

<地鶏の生産方法>

素びな  …在来種由来の血液百分率が50%以上のものであって、出生の証明ができるもの

飼育期間…孵化後から75日間以上飼育していること

飼育方法…28日齢以降、「平飼い」で飼育していること

飼育密度…28日齢以降、1平米あたり10羽以下で飼育していること

<地鶏の表示方法>

通常の鶏肉の表示に加えて、以下の表示が必要である。

 ・父鶏母鶏の組み合わせ

 ・飼育期間

 ・飼育方法

 ・内容量

 ・生産業者の氏名または住所

■ 銘柄食肉の表示

はかた地鶏、鹿児島黒豚など銘柄食肉には産地名をつけたものがある。この場合は、国産品の表示を省略することができる。

しかし、銘柄を示す産地と主な飼養地が必ず一致するとは限らない。

このため、銘柄とは別に主たる飼養地を表示しなければいけない。 

ただし、銘柄に冠された地名が主たる飼養地と一致する場合には、銘柄に冠されたその地名をもって、食品表示基準における原産地表示とみなす。  

■ 混合した食肉の表示

種類・部位、原産地を混合して販売する場合、重量の多い割合から順に記載する。

用途などでの表示

セット販売の場合など

■ 冷凍及び解凍の表示

冷凍した食肉には、「冷凍」または「フローズン」と表示する。

冷凍した食肉を解凍したものには「解凍品」、凍結した牛の食肉は「凍結品」、 解凍した牛は「解凍品」と表示する。  

■ 生食用食肉の表示

生食用食肉については、消費者庁によりその加工基準が定められ(平成24年10月)食品表示基準が示されている。

○パックしたs食肉(個食パック販売など)は、通常の表示の他にプライスラベルに「生食用」と表示する。

 又、と畜場および加熱殺菌の加工場の名称と県名を併せて表示する。

○さらに、下記③の注意喚起の表示をする。

○対面販売の場合、プライスカードや置札に「生食用」と表示をする。

食育ドリル➟ https://joflink.online/★みんなの食材ドリル/食品表示3【食肉編】_みんなの食育ドリル/

『食』仕事の教科書 ➟ https://joflink.com/

又は ➟ https://joflink.com/e/hyouji_4_shokuniku